数値演算を実行する

数値演算には次の2つの方法があります。

  • 測定中に演算を実行する(リアルタイム自動演算)

    数値演算の設定を行った後に、測定を開始します。測定中に、リアルタイムで演算を行います。

    最新の数値演算の結果を、波形画面の[波形+数値]で確認できます。

  • 測定後に演算を実行する(手動演算)

    測定が終わった後に、キーを操作して数値演算を開始します。

 

測定中に演算を実行する

(リアルタイム自動演算)

 

測定後に演算を実行する

(手動演算)

   

測定開始前に数値演算の設定をします。

測定中、リアルタイムに演算を実行します。

  • 最新の演算値を、波形画面([波形+数値]表示)で確認できます。

  • 一定時間ごとの演算値をテキスト形式で保存することもできます。

測定後、数値演算の設定をして演算を実行します。

リアルタイム数値演算(自動演算)

測定後の数値演算(手動演算)

   

 

測定停止

 

[演算] > [数値演算]画面

[演算] > [数値演算]画面

[数値演算]で機能を[ON]にし、演算の種類を選択

[数値演算]で機能を[ON]にし、演算の種類を選択

自動で演算結果を保存したいとき

 

[測定] > [自動保存]画面

[波形+数値]画面

自動保存の設定

演算実行

取扱説明書 詳細編「3.3 データを保存する『自動保存(リアルタイム保存)』」

 

 

測定開始

 

観測

観測

 

次の場合、演算値と保存データは取扱説明書 詳細編「11.15 データの取り扱い」のとおりに扱われます。

  • 波形が各レンジの測定可能範囲を大きく超えた場合(+OVER、-OVER)

  • 温度測定時に熱電対の断線を検出した場合(断線検出)

 

通信遮断などで演算対象チャネルのデータが[NO DATA]になっているときは、そのデータは数値演算の対象として扱われません。

演算範囲内にあるデータがすべて[NO DATA]になっているときは、本器の画面に[NO DATA]と表示され、数値演算結果は[1.7976931348623157e+308]が保存されます。

数値演算の設定

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1 [数値演算]で、数値演算の機能を[ON]に設定する

OFF, ON

2 [時間分割演算]で、自動保存での数値演算結果の保存方法を選択する

分割なし

測定開始から停止までの全データで数値演算を行い、演算結果を保存します。

分割あり

測定開始*1から指定した間隔で分割して数値演算を行い、その間隔ごとの演算結果を保存します。

  1. *1

    トリガを使用している場合は「開始トリガ」からです。

定時分割

[基準時刻]を元に一定時間([分割時間])ごとの演算値が保存されるように、最初の区間の長さが自動で調整されます(最初の区間だけ[分割時間]より短くなります)。

[分割あり]または[定時分割]を選択したときは、一定時間ごとの演算結果が保存されます。

自動保存の数値演算結果の形式が[OFF]になっていると、[時間分割演算]の設定はできません。

取扱説明書 詳細編「3.3 データを保存する『自動保存(リアルタイム保存)』」

数値演算結果の形式を[テキスト形式(CSV)]に設定してください。

 

[時間分割演算][分割あり]を選択したとき)

[分割時間]で、演算を行う時間間隔を設定する

000:013023:59

たとえば、分割時間を10分にすると、10分ごとに演算を行い、演算結果を保存します。

測定開始から指定した間隔で演算結果が保存されます。

分割時間は、0日0時0分を指定することはできません。

自動で0日0時1分になります。

 

[時間分割演算][定時分割]を選択したとき)

[基準時刻]で、ファイルを分割する基準となる時刻を設定する

時(023)、分(059

[分割時間]で、ファイルを分割する期間を設定する

1分2分5分10分15分20分30分1時間2時間3時間4時間6時間8時間12時間1日

基準時刻を元に指定した間隔で演算結果が保存されます。

測定開始から最初の区間は、基準時刻からの分割時間で保存されるように自動で調整されます。

3 [演算種類]で、数値演算の種類を選択する

数値演算は同時に10個まで設定できます。

平均値

平均値を算出します。

P-P値

最大値と最小値との差(ピーク–ピーク値)を算出します。

最大値

最大値を算出します。

最小値

最小値を算出します。

最大値の時間

記録開始から最大値になるまでの時間を算出します。*1

最小値の時間

記録開始から最小値になるまでの時間を算出します。*1

積算

積算値を算出します。

積分

積分値を算出します。

稼働率

測定値がしきい値以上のときの割合を算出します。

ON時間

測定値がしきい値以上のときの総時間を算出します。

OFF時間

測定値がしきい値未満のときの総時間を算出します。

ON回数

測定値がしきい値以上になった回数を算出します。

OFF回数

測定値がしきい値未満になった回数を算出します。

  1. *1

    トリガ使用時は、トリガポイントからの時間を求めます。

しきい値は1チャネルにつき1つだけ設定できます。ON時間とOFF時間で同じチャネルを指定した場合、しきい値は同じになります。

4 [対象CH]で、数値演算を行う対象のチャネルを選択する

全CH

すべてのチャネルの波形を使って数値演算を行います。しきい値は、チャネル画面で設定してください。

Unit n

指定したチャネルだけの波形を使って数値演算を行います。

(n = 1, 2, . . .)

パルス

パルス波形に対して数値演算を行います。(P1 ~ P8)

波形演算

波形演算を行った波形に対して数値演算を行います。(W1 ~ W30)

5 [対象CH][全CH]以外を選択したとき)

演算を行う個別のチャネルを設定する

6 [演算種類][稼働率][ON時間][OFF時間][ON回数]、または[OFF回数]を選択したとき)

[しきい値]で、基準となる値を設定する

取扱説明書 詳細編「1.1 基本的な操作をする『数値の入力方法』」

7 [演算種類][積算]または[積分]を選択したとき)

計算方法を選択する

取扱説明書 詳細編「6.1 数値演算を実行する『数値演算式』」

合計

ゼロ位置と信号波形の振幅が正の部分で囲まれた積算値または面積と、ゼロ位置と信号波形の振幅が負の部分で囲まれた積算値または面積との差を求めます。

ゼロ位置と信号波形の振幅が正の部分で囲まれた積算または面積を求めます。

ゼロ位置と信号波形の振幅が負の部分で囲まれた積算または面積を求めます。

絶対値

ゼロ位置と信号波形で囲まれた積算または面積を求めます。

 

> >

 

8 (数値演算結果を保存する場合)

自動保存:[数値演算結果]エリアの設定を行う

取扱説明書 詳細編「3.3 データを保存する『自動保存(リアルタイム保存)』」

手動保存:[保存種類]で、[数値演算結果]を選択する

取扱説明書 詳細編「3.3 データを保存する『手動保存(選択保存、即保存)』」

リアルタイム数値演算(自動演算)

測定しながら数値演算を実行します。

測定中の画面[波形+数値]で、その時点の演算結果を確認できます。

1 数値演算の設定を行う

数値演算の設定

2 STARTキーを押して、測定を開始する

測定中にリアルタイムに数値演算を行います。

3 WAVEキーで[波形+数値]画面を表示する

4 画面右側の数値の表示を[数値演算]にする

数値演算の結果が表示され、その時点の演算結果を確認できます。

5 結果を表示する数値演算を選択する

[演算1]から[演算10]の中から、演算結果を表示する数値演算を1つ選択できます。

6 [時間分割演算][分割あり]を選択したとき)表示する演算結果を選択する

通常値

測定開始時からの演算値を表示します。

分割値

一定時間ごとの演算値の最新値を表示します。

[分割値]を選択したときは、演算結果の表の下に、分割した先頭の時間([横軸の表示]で、日付またはデータ数に変更可能)を表示します。

7 [<][>]でチャネルを変更する(必要に応じ)

演算結果を表示するチャネルを変更できます。

測定後の数値演算(手動演算)

測定後に、キー操作で数値演算を実行します。

[波形+数値]画面を表示し、画面右側の数値の表示を[数値演算]にすると、演算結果を確認できます。

1 STARTキーを押して、測定を開始する

2 測定が終了したら、数値演算の設定を行う

数値演算の設定

3 WAVEキーで[波形+数値]画面を表示する

4 画面右側の数値の表示を[数値演算]にする

数値演算の設定項目が表示されます。

5 [実行]ENTERキーを押す

手順2で設定した数値演算が実行されます。

 

メディア(SDメモリカード、USBメモリ)から読み込んだ波形に対しても、数値演算を実行できます。波形を読み込んだら、上記の手順2から操作します。

 

時間分割演算の手動演算は実行できません。

部分数値演算

手動演算の場合は、数値演算の範囲を指定できます。

A/Bカーソル(縦軸)で範囲を指定した後に、数値演算を実行します。

1 A/Bカーソルで範囲を指定する

取扱説明書 詳細編「1.14 A/Bカーソルを使う『波形の範囲指定』」

2 画面右側の数値の表示を[数値演算]にする

数値演算の設定項目が表示されます。

3 演算を行う範囲を選択する

全データ

A/Bカーソルの有無に関わらず、記録長全体の波形で演算を行います。

A-B

AカーソルとBカーソルの間の波形で演算を行います。

先頭-A

波形の先頭からAカーソルまでの波形で演算を行います。

先頭-B

波形の先頭からBカーソルまでの波形で演算を行います。

A-最後

Aカーソルから波形の最後までの波形で演算を行います。

B-最後

Bカーソルから波形の最後までの波形で演算を行います。

4 [実行]ENTERキーを押す

手順3で指定した範囲で数値演算が実行されます。